![]() 水没してしまうかもしれない場所に現れたサンショウクイ 2026.5.14. |
| 1993年に発効した国際的な条約である生物多様性条約はその後、何度も締約国会議(COP)が開催されて、全地球的な規模での自然環境の問題についての対策が検討されてきました。 2022年、COP15において196ヵ国が合意して採択されたのは、『2020年を基準として、2030年までに生物多様性の損失を止め、2050年までに完全な回復を達成させる』という世界的な社会目標を掲げた「昆明・モントリオール生物多様性枠組」でした。 そこから生まれたのが、地球規模で多くの生物が絶滅し、様々な生態系が失われている現状を食い止め、さらにその自然環境を回復させていこうという「ネイチャーポジティブ」という言葉です。 この流れをうけて、日本では2023年に「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定され、2030年までにネイチャーポジティブを達成するという目標がかかげられています。そして、「2030生物多様性枠組実現日本会議」(環境省)は企業、地方公共団体、NGO等に対して、「ネイチャーポジティブ宣言」を表明してもらうように呼び掛けています。 さて、群馬県では… 群馬県知事・山本一太氏は全国の都道府県に先駆けて、いち早く2024年に「ぐんまネイチャーポジティブ宣言」をしていました。さすがです! ぐんまネイチャーポジティブ宣言 ネイチャーポジティブ実現のためには、自然を守ることだけではなく、私たちの社会・経済全体が生物多様性の保全に 貢献するような「社会変革」が必要です。今まさに、県民・ 企業・行政にも行動の転換が求められています。 とりわけ、経済活動の主体である企業が、ネイチャーポジティブ経営(自然資本保全の概念を重要課題として位置づけた経営)へ移行していくことが重要です。 群馬県は、豊かな自然資本を生かしながら、ネイチャーポジティブ経営企業が集積する「群馬県版ネイチャーポジティブ経営エコシステム」を形成することにより付加価値が生み出 され、生物多様性も保全されていく、ネイチャーポジティブ 経営の第一想起地となることを目指します。 令和6年12月20日 群馬県知事 山本一太 しかし、その一方で、中止となっている倉渕ダム、戸倉ダムについて、関係者が国交省へ建設再開を要望したことに対して、「県の感覚と会っている」 と、2026年4月16日の記者会見で発言もしているようです。2年前のネイチャーポジティブ宣言を忘れてしまったのでしょうか? ダム建設が自然環境を破壊し、生物多様性を低下させることは明らかです。ダム建設はネイチャーネガティブ以外の何ものでもありません。“ネイチャーポジティブ宣言”とダム建設推進はまったく見ている方向が違います。ダムによらないネイチャーポジティブな治水対策をぜひ考えて実施してほしいものです。 群馬県のホームページを見てみると、数多くの企業がこのネイチャーポジティブの目標に対して賛同し、「ぐんまネイチャーポジティブ推進プラットホーム」に参加してくれていることが確認できます。また、県内の市町村では前橋市、伊勢崎市、沼田市、藤岡市、みどり市、下仁田町、みなかみ町、板倉町が参加しています。 しかし、高崎市はいったいどうしたのでしょう? 2026年6月10日現在、高崎市の文字は見あたりません。 豊かな自然環境である烏川源流域を有する高崎市は、ダムによって環境を悪化させるのではなく、世界的な目標でもあるネイチャーポジティブに向けての動きを加速させるべきだと思うのですが…。 |