烏川源流域 生物調査

 烏川源流域は群馬県の「良好な自然環境を有する地域の学術調査」として昭和59年から昭和61年にかけて、調査が行われています。この調査結果は昭和61年3月に「烏川源流域学術調査報告書」として公表されています。しかし、この調査の地域は主に烏川の源頭部ともいえる鼻曲山の稜線付近と袈裟丸山が対象となっていて、倉渕ダムが作られた場合、水没してしまうような流域の調査は見当たりません。
 そこで、この倉渕ダムが作られた場合に大きなダメージを受けるであろう地域にはどんな生物が生息しているのかを明らかにすべく、ダム計画が再浮上した2026年4月より
調査を始めました。



調査範囲
ダムが作られると想定されている場所からサーチャージの標高約790m以下の場所が水没すると考え、水没する場所・ダムによって破壊される場所・ダム湖の上流域・ダムの下流域に分けて記録しています。その範囲は仮想のダム湖の周囲数kmの範囲となっていますが、影響は下流域にずっと続いていくと考えられますので、今後さらに範囲をひろげていく必要があると思われます。

 調査方法
国土地理院地図のグリッド表示の中の「タイル座標」を使い、確認できた生物の位置を記録しています。ダムができるかもしれない位置のタイル座標は「17/116034/51267」と表示されます。
最初の「17」は縮尺を上げると「16」、さらにあげると「15」と変わっていきますが、「17」の縮尺で記録しています。


 
 リストの作成
2026年4月から調査をしていますが、それ以前にもこの地域ではクマタカ等の鳥類の観察会や生物の観察会を行っていますので、その記録、あるいは、協力を得られたこの地域で生物の観察をしている方々の記録も加えさせていただき、リストを作成しています。
 



これまで調査結果 (2026.8.26.現在)

  確認できた
種数 
 菌類  キノコ    9
 変形菌  1
 植物   シダ植物   11
裸子植物   3
 被子植物  243
 脊椎動物      魚類  2
両生類   3
爬虫類   6
鳥類   41
哺乳類   14
 節足動物  昆虫類       アミメカゲロウ目  3
 シリアゲムシ目 3
 双翅目 4
 直翅目 6
 トビケラ目 1
 トンボ目 12
 半翅目 36
 ハサミムシ目 3
 膜翅目 9
 甲虫目 86
鱗翅目・蛾 155
鱗翅目・蝶 40
 クモ  1
虫えい  10

 上に上げられた数字はあくまでこれまでに同定できた種の数です。
 未同定の種はまだまだたくさんあり、そこにいるのにここに数字として載ってこないものがまだまだたくさんいます。
 
 



確認できた貴重種

 環境省では日本の野生生物を対象にして、生物学観点から種の絶滅の危険度を客観的に評価し、それをレッドリストとしてまとめています。

          
環境省が定めているカテゴリー
 絶滅 (EX)  我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
 野生絶滅 (EW)  飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ 存続している種
 絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN)  絶滅の危機に瀕している種
 絶滅危惧ⅠA類(CR)  ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
 絶滅危惧ⅠB類(EN)  ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
 絶滅危惧Ⅱ類 (VU)  絶滅の危険が増大している種
 準絶滅危惧 (NT)  現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
 情報不足(DD)  評価するだけの情報が不足している種
 絶滅のおそれのある 地域個体群 (LP)  地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

 また、各都道府県でも環境省のカテゴリーに準拠した形でそれぞれ独自のレッドリストを作成しています。



 これまでの調査で確認できた生物の中で、環境省、あるいは群馬県のレッドリストになっている生物のリストを作ってみました。また、群馬県ではノーマークでも隣接する5県(埼玉・長野・新潟・福島・栃木)でレッドリストに入っている生物も加えてあります。

烏川源流で確認できた貴重種のリスト 2026.8.26.現在



いっしょに調査をして下さる方をお待ちしています