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伊藤敦博議員
最初の質問は、どうしていまさら倉渕ダムなのか、について、おもに治水の観点から質問したいと思います。4月24日づけ上毛新聞の一面に「中止2ダム再開への調査」という記事が掲載され、国土交通省が利根川水系の治水対策として過去に建設中止となった倉渕ダムと戸倉ダムの事業再開を視野に調査に着手すると報じました。この記事の中では、高崎市の市議会議長と副市長らが意見書を提出、倉渕ダムは治水と利水の両面で関東の住民に欠かせないとし、現地調査の実施を求めたとのことでした。またさらに、4月28日づけの小渕優子衆議院議員のブログでは、高崎市議会の皆様とともに金子国土交通大臣のもとへ倉渕ダムの事業の再開を求める意見書の提出に行ってまいりました、というふうに発表されております。私は市民の方から、高崎市はいつ倉渕ダム建設再開を決めたのか、どうしていまさらダムをつくらなければいけないのか、という厳しいご批判をいただきました。そもそもの議長が提出した意見書は高崎市議会では多数決であって総意ではありません。3月議会でこの日意見書に賛成した議員は38人中22人であり、賛否両論がありました。そしてほとんどの市民の方にしてみれば、この問題は寝耳に水の話だったのではないでしょうか。NPO法人アグレコという市民の団体から4月23日に高崎市議会に対して、治水に対して効果がある根拠、環境破壊や烏川への水質悪化に対する懸念などに関する公開質問状が提出がされました。私も見ましたが、たいへん的確な指摘であり、真摯に回答すべきだと考えていますが、今のところ市議会としては回答が出されていない状況にあります。
ご存知のとおり、倉渕ダムは1980年に事業が始まり、反対運動の高まりなどを経て、2003年に事業が凍結され、2010年に正式に中止となったと聞いています。まず、当時事業主体であった群馬県が付け替え道路まで完成させていた倉渕ダムの建設をあえて中止した理由を確認させてください。
建設部長
伊藤敦博議員の1点目、どうしていまさら倉渕ダムなのか、についてのご質問にお答えいたします。倉渕ダムは烏川沿線の旧倉渕村、旧榛名町、旧高崎市の治水と高崎市の水道用水確保や安定供給などを、利水を目的とした多目的ダムとして群馬県により建設が計画されたものでございます。県は昭和59年に実施計画調査を開始し、平成2年から建設事業に着手しましたが、平成15年12月に当時の県知事が当面の間、本体工事等ダム工事を見合わせる旨、表明いたしました。その際の理由としては当時の県議会への知事の答弁では、財政状況やカスリーン台風以来の大規模な河川の洪水被害が無いこと、水需要がのびていないことなどを総合的に勘案したものと述べられているところでございます。
伊藤議員
私も群馬県が発表した2010年に出した倉渕ダム検証報告書を読ませていただきました。これによれば、1倉渕ダム以外の水源による水利権の取得が可能となった、2近年の土地の利用の状況でダムによって必要水量を確保する緊急性が低い、3治水対策だけになるため費用対効果が減少した、ということでダム建設を中止する代わりに河川改修を優先するという結果になりました。県としてはこのときダムは治水対策としての効果が低いと明確な判断を示したわけですけれども、いつからこの効果が認められるようになったんでしょうか。3月議会の一般質問の中で、建設部長は仮に烏川においてダムなどの洪水調節機能が確保された場合、治水安全度が向上し、市民生活の安全・安心に寄与することが期待されています、というふうに答弁されていますけれども、そこでうかがいます。倉渕ダム建設で本市の洪水対策としてどのような効果があると把握しているのかを確認させてください。
建設部長
再度のご質問にお答えいたします。近年の激甚化・頻発化する水害や将来の気候変動による気象災害のリスクに備えるため、国においては令和7年3月に利根川江戸川河川整備計画を変更いたしました。この計画では利根川上流部における洪水調節機能の強化にむけ、必要な調査検討を行い、対策を実施することとしております。このため国において、治水機能増強検討調査がすすめられることとなりました。この検討においては既設施設の活用や過去に中止されたダムの予定地の活用について他のダムとともに調査検討が始められたものと承知をしております。したがって、本市の洪水対策に及ぼす具体的な効果についてはまだ示されておりませんので、本市といたしましては今後も国の検討状況を注視してまいりたいと考えております。以上です。
伊藤議員
本市の洪水対策におよぶ具体的な効果については何も示されていない、ここを確認させていただきました。まだ効果が何も示されていない段階で、ダム建設ありきの事業再開を求めることに市民の皆様は納得していただけるでしょうか。ましてや平成16年の段階でも400億円かかるという工事事業が近年の物価高でいったいいくらまでふくれあがるのかという懸念もあります。
次にうかがいます。近年毎年のように異常気象による水害が全国で多発している状況ですけれども、本市における過去10年の水害の発生状況について教えてください。
建設部長
再度のご質問にお答えいたします。本市におきましても、近年の激甚化頻発化する水害や将来の気候変動による気象災害へのリスクへの備えはきわめて重要な課題であると認識をしております。本市における近年の浸水被害といたしましては、令和元年東日本台風がございます。当時は本市ではじめて大雨特別警報が発表され、市内各所
で当時の警戒レベル4となる避難勧告の発令を余儀なくされました。この台風による水害の状況といたしましては、烏川・碓氷川・鏑川などの主要な河川の急激な水位上昇により、烏川にかかる佐野橋や碓氷川にかかる八千代橋、中乗橋の橋梁の流失および一部損壊、河川護岸の崩落、これによる市道・鼻高乗附線の路面崩落、烏川などの河川敷の広場や旧市民ゴルフ場などへの土砂の流入に加え、内水氾濫により市内の広い範囲で道路冠水や住宅への床上・床下浸水などが発生し、市民生活に大きな影響をもたらしたところでございます。以上でございます。
伊藤議員
はい、答弁にあったように近年は台風をはじめとして線状降水帯やゲリラ豪雨による大雨被害がたびたび発生をしています。私のすんでいる近辺の周囲地域でも集中豪雨によって道路や路地が冠水したり、雨水の排出が追いつかず家屋などの被害が続出しています。近年では全国的に下流都市部などの流域に雨が集中することで内水氾濫が被害が多いというのも周知のとおりです。そこで、本市としては災害に強い街づくりをめざし、高崎地域防災計画を策定し、防災に力をそそいでいると認識していますが、本市が取り組むべき水害防止対策事業についてどういうふうに考えているのか、教えてください。
建設部長
再度のご質問にお答えいたします。本市の水害対策につきましては、台風や大雨により大きな浸水被害が発生した箇所を中心に土砂の浚渫や水門の自動化、常設型排水ポンプの設置、元島名の雨水調整池やバイパス排水路の整備、さらには児童相談所への地下への雨水貯留槽の設置、雨水関連の整備など、雨水の流出抑制と内水被害の軽減にむけ、緊急性の高いところから順次対策をすすめております。また平成26年度からは梅雨や台風の季節を迎える前の毎年5月から約2カ月にわたり職員を動員し、市内の危険個所をくまなく自らの目で確認する危険個所総点検を実施しております。点検の結果にもとづき対策が必要な個所については速やかに改修を行うとともに、河川を管理する国や県に対しては堆積土砂の浚渫や雑木の除去などを要望してゆくなど水害対策に取り組むことで市民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
伊藤議員
私は、本市は防災対策、本当に真摯に取り組んでいただいていると感じています。水害対策として現在、本市で着実に進められているのが内水氾濫等の浸水被害の解消、雨水対策、外水氾濫防止のための河川改修等が柱であって、いずれも水害に対して効果がある事業だと評価をしています。一方、倉渕ダムによる治水は、たとえ利根川中・下流域の水位の調整に効果があるとしても、高崎市の水害対策に効果があるといえるのでしょうか。3月の群馬県の産経土木常任委員会では県の流域治水推進室官という方がこのように述べています。倉渕ダムは国が必要だと言って進められている。県が倉渕ダムを作るときには高崎市の視点で目標流量があり、設計をすすめていた。国は下流の都県に効果が出るように伊勢崎市にある国の管理区間で必要な目標流量を設定して、それに伴う容量を算定しているとして、ここでは利根川中・下流域の水害リスクを減らすことが目的であるというふうに話をされています。私はその下流域の皆さんのために高崎市が役立つということはやぶさかではありませんけれども、その見返りとして、烏川が汚れてしまう、環境汚染になる、高崎の水道の水がまずくなるんだとしたらその事業は市民として受け入れがたいということで前のめりにダムを作るよりも、今、建設部長がおっしゃっていたような河川改修等に力を入れるべきだというふうに申し上げて次の質問に移りたいと思います。
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