~ 2026.3.11. 群馬県議会議事録から ~

 令和8年 第1回定例会 産経土木常任委員会 (県土整備部関係)


◆酒井宏明 委員 
 利根川の治水機能増強検討調査について、令和7年第3回後期定例会で説明があったが、今年に入って倉渕ダムの問題が急浮上してきた印象がある。
 国が実施している当該調査の状況と、倉渕ダムとの関係について伺いたい。

◎筑井 流域治水推進主監
 
 国が実施している「治水機能増強検討調査」は、近年の気候変動により降雨量が増加し、河川流量の増大が見込まれることを受けて、利根川水系河川整備方針等を変更し、目標流量を引き上げ、それに対応するため、利根川上流域において、治水機能をどのように確保すれば目標を達成できるかを調査している。
 今年度から検討が本格化し、昨年11月以降、学識経験者による検討委員会が複数回開催されている。その中では、既存施設の有効活用、既設ダムにおける治水容量と利水容量の再編、調節施設の整備など、さまざまな手法について議論が行われている。
 今年1月に開催された第3回検討委員会では、過去に中止となったダム事業の予定地を活用する案が示された。その一つとして、県内で事業中止となった倉渕ダムについて、当時ある程度事業が進捗していたことから、仮に整備する場合、工期が比較的短く済む可能性がある施設として紹介されたものである。
 現時点では、地域への影響、経済性、技術的な難易度など、多角的な視点で検討が続けられており、県としては、引き続き国の検討状況を注視していく考えである。

◆酒井宏明 委員 
 洪水調節容量を引き上げるためにダムを検討するという流れだが、ダムに限らず、流域の堤防改修や内水被害対策などで代替できるのではないかという指摘もある。
 烏川における河川整備計画は、平成27年に変更されているが、その進捗状況を伺いたい。

◎筑井 流域治水推進主監 
 県では、平成27年に「烏川圏域河川整備計画」を変更し、堤防整備などを新たに位置付けた。その後、下流部を中心に堤防整備を着実に進めており、現在も事業を継続している状況である。
 烏川は国が必要だといって検討が進められている。県が倉渕ダムを作るときは、高崎市の地点での目標流量があり、設計を進めていた。今回、国は下流の都県まで効果が出るように伊勢崎市にある国の管理区間で必要な目標流量を設定し、それに伴う容量を再算定している。ダムを整備すれば下流域に効果が及ぶことは事実だが、県としては、これまでどおり、県の河川整備計画に基づく堤防整備や河道改修を着実に進める姿勢に変わりはない。
 国が新たに設定した目標流量に対し、どのような手法の組み合わせが適切かを検討している段階だと受け止めている。

◆酒井宏明 委員 
 烏川圏域の河川整備計画を着実に進めていくことが、治水対策の大前提だと考えている。ダムありきではなく、堤防整備や内水被害対策などをしっかり進めた上で、経済性や環境への影響も含め、丁寧に検討を進めていただくよう要望する。