| ◆追川徳信 議員 続いて、利根川上流部における治水対策の検討状況についてお聞きいたします。 倉渕ダムは、当時、ここを計画して、今、途中まで進んでいたところなんですが、群馬県が進めていたダムであり、2003年度に事業中止となり、その後、2015年度に正式に中止が決定されました。当初は、烏川流域の治水や、高崎市の水道水の確保を目的として計画されたものですが、近年、異常気象の激甚化により、治水や利水の観点からダムの必要は非常に高まっているのではないかと考えております。 近年、日本では線状降水帯や台風災害による豪雨災害が頻発し、洪水や土砂災害が激甚化しています。国土交通省によると、1時間降水量50㎜以上の短時間強雨の発生頻度は増加傾向にあり、1日の降水量200㎜以上の大雨も、過去と比べると大幅に増えてきたと思っております。また、気象変動の影響により、豪雨の激甚化、河川氾濫リスクの増加、渇水の深刻化など、全国的な課題となっております。実際に2019年の台風19号では、試験湛水中であった八ッ場ダムが、大量の洪水で貯留して、利根川下流域の災害リスクの低減に大いに発揮したとされています。下流域は本当に無事だったのは八ッ場ダムのおかげだなというふうに感じております。 こうした事例からも、気候変動時代において、ダムが持つ洪水調節機能の重要性が改めて認識されております。さらに倉渕ダムは、既に用地買収や付け替え道路などが進められておりまして、関連インフラは一定程度整備されております。4割ぐらい完成しているんですかね。現在、国土交通省では、既存ダムの有効活用や機能強化、事前放流、流域治水の推進など、気候変動を踏まえた総合的な治水対策を進めております。 こうした中、近年の気候変動を踏まえた対策として、国において倉渕ダムを含めた中止ダム予定地の活用が検討されておりますが、国の検討状況と県の対応を伺います。 ◎佐々木実 県土整備部長 お答えいたします。 議員からの御指摘のとおり、国は、気候変動の影響によりまして、気温の上昇を2度に抑えられた場合であっても、降雨量が約1.1倍、河川を流れる水の量、いわゆる河川流量が約1.2倍になると予測しております。これを踏まえまして、国では、長期的な河川整備の方針となる利根川水系河川整備基本方針や、今後おおむね30年間の河川整備の内容を定める、利根川・江戸川河川整備計画を令和6年度に変更しました。 変更後の計画では、堤防整備や河道掘削などに加えて、利根川上流部における洪水調節機能の強化を目的とした調査・検討を行うこととしておりまして、昨年度から国による検討が進められています。国におきましては、既存の施設を最大限活用することを前提として、既存ダムの有効活用や、治水・利水の貯水容量の再編、新たな洪水調節施設の整備など、様々な手法について検討が進められておりまして、本年3月には、事前放流の更なる活用や、烏川調節池の整備、中止ダム予定地の活用、これらを組み合わせた対応方針案が公表されました。倉渕ダムを含む中止ダム予定地の活用につきましては、今後、国におきまして一定程度事業が進んでいるダム予定地から、土地利用などの最新データを踏まえて実現性を確認した上で判断すると伺っております。 県としましては、国に対して各種対策の実施に当たっては、地元や関係利水者への丁寧な説明を求めているほか、倉渕ダムに限らず、新たなダムなどの洪水調節施設を整備する場合には、地元への十分な配慮を要望しているところであります。 利根川流域の治水安全度の向上は、県民の安全・安心の確保や、持続的な地域経済活動を支える上で極めて重要な課題であると認識しております。引き続き、国の検討状況を注視するとともに、必要に応じて意見を述べてまいりたいと考えております。 ◆追川徳信 議員 ありがとうございました。 利根川流域の治水安全の向上は、県民の命と暮らしを守る上で極めて重要であります。県におかれましては、引き続き、地域への丁寧な配慮を前提としつつ、国と十分連携しながら必要な治水対策の検討を着実に進め、倉渕ダムの早期完成で、下流域に災害が起きないよう、是非ともよろしくお願いします。県土整備部長、ありがとうございました。 |