| ◆大沢綾子 委員 続いて、倉渕ダムについてお尋ねする。先日の一般質問でも倉渕ダムの問題が取り上げられたが、国が実施している利根川水系の治水機能増強検討調査について、改めて確認させてほしい。 ◎野口 流域治水推進主監 先日の追川議員の一般質問における答弁で説明したとおり、気候変動の影響により、将来的に河川流量が約1.2倍に増加するとの予測に対応するため、国は利根川水系河川整備基本方針や利根川・江戸川河川整備計画を変更し、河川整備における目標流量を引き上げた。変更後の計画では、この目標を達成するための堤防整備や河床掘削などの対策に加え、利根川上流部における洪水調節機能の強化に向けた調査・検討を行うこととしており、昨年度から国による検討が進められている。その中で、国において、既存施設を最大限活用することを前提として、既存ダムの有効活用、治水・利水の貯水容量の再編、新たな洪水調節施設の整備など、様々な手法について検討が進められており、本年3月には、事前放流の更なる活用や烏川調節地の整備などを組み合わせた方針案が公表されたところである。なお、国における検討では、倉渕ダムを含む過去に事業を中止したダム予定地の活用については、他のダム予定地とともに引き続き調査・検討が行われている段階と承知している。 ◆大沢綾子 委員 気候変動の影響で流量が増えることは、確かに認識しなければならないと思っている。同時に、これだけ流量が増えるからダムを建設するという単純な話ではないという認識でよいか。 ◎野口 流域治水推進主監 倉渕ダムについては、事業実施が決定されたものではなく、今後国において一定程度の進捗があったダム予定地から、土地利用等の最新データを踏まえ、実現性を確認した上で判断すると聞いている。 ◆大沢綾子 委員 倉渕ダムの計画は中止されたが、中止を決断した理由について、治水の面で改めて確認させていただきたい。 ◎野口 流域治水推進主監 中止になった経緯であるが、倉渕ダムについては、かつて群馬県が事業主体となり、高崎市倉渕町川浦地区において、洪水調節と高崎市への水道用水の供給を目的として、平成2年度に建設事業に着手したものである。しかし、その後、高崎市が倉渕ダム以外の水源で水利権を取得できる見通しとなったことなどを踏まえ、ダム事業の費用対効果が減少したため、公共事業再評価委員会での審議を経て、平成27年度に事業を中止したものである。 ◆大沢綾子 委員 費用対効果が大きく減少したことが、中止の判断に至った経緯である。倉渕ダムの検証報告書では、この際、河川改修を優先し、今後の開発状況や氾濫被害の実績、下流区間の整備状況を勘案しつつ、具体的な対応方策を検討するとされている。現在の烏川における河川整備計画も、こうした状況を踏まえて平成27年に変更されたと認識しているが、その進捗について教えていただきたい。 ◎野口 流域治水推進主監 河川改修の進捗状況であるが、計画区間のうち最下流部に位置する高崎市下豊岡地区においては、令和3年度に堤防整備が完成している。また、その他の地区においても、地域の協力をいただきながら用地買収を進めているほか、上大島地区では、堤防整備に伴い必要となる道路の付替工事を実施するなど、事業を着実に推進しているところである。 ◆大沢綾子 委員 計画に沿って着実に整備を進めていると認識した。流域の治水対策としては、上流は既存のダムや遊水池で洪水調整を行い、下流は河床掘削や樹木伐採、堤防強化などを計画的に実施するとともに、浸水リスクの高い地域では、開発や建築の規制なども含めて検討していくなど、流域の特性を踏まえた対策が必要であると考えるが、この点について見解を伺いたい。 ◎野口 流域治水推進主監 現在国が様々な対策の組合せを検討している段階であり、どの対策が必要となるかについては、今後の検討結果によるものと認識している。県としては、各種対策の実施に当たっては、国に対して地元や関係者への丁寧な説明を求めているところであり、新たにダムなどの洪水調節施設を整備する場合には、地元に十分配慮した対応を行うよう併せて要望している。県としては、引き続き国の検討状況を注視してまいりたい。 ◆大沢綾子 委員 国も検討を始めた段階であり、県として現時点で明確に言える状況ではないということは承知しているが、そもそもダムが治水効果を発揮するのは、河川の流下能力を超え、かつ計画規模以下の洪水という極めて限定的な洪水や、集水域に降った雨に対してだけである。烏川の流域で、主に高崎市になると思うが、今の雨の降り方がどういう状況なのかということも、県としてもしっかりと見ていく必要があると考える。また、烏川の河川整備を着実に進めていくと同時に、内水被害の対策も重要である。私も高崎在住であるが、大雨が降るたびに、用水溢水や浸水被害が発生する地域が増えている。行政に対策を求めても、現地確認はしていただけるものの、予算の制約から抜本的な対策は行ってもらえず、何十年も要望している地域もある。仕方なく住民が自己防衛せざるを得ない状況をあちこちで見ている。やはり優先すべきは、現に多くの市民が直接被害を受けている内水対策ではないかと考える。今回の利根川水系の検討に関しては、国が検討段階であることは理解するが、こうした待ったなしの対策こそ、国に対し、財政支援も含めて強化するよう要望していただきたいと思うがいかがか。 ◎野口 流域治水推進主監 県としても、鳥川水系の治水安全度の向上は大変重要であると認識している。今後も国の検討状況を注視しながら、必要に応じて県としての意見を述べてまいりたい。 |